「田舎の家は安い」と思っていた私。
ところが、実際に中古物件を見て回ると“安さの理由”がはっきりとわかりました。
今回は、田舎の中古住宅を探して気づいたリアルな落とし穴をお話します。
田舎ではファミリー向け賃貸がほとんどない
子どもが生まれて社宅が手狭になり、「広い家に引っ越したい」と思うようになりました。
しかし、地方ではファミリー向け賃貸が圧倒的に少ないのが現実です。
- 駐車場が1台しかない
- 築年数が古い
- 空きが出てもすぐに埋まる
毎日のように物件サイトをチェックしても、新着がほとんどありません。
地方は車社会なので、**「夫婦それぞれ1台」**が当たり前。
でも、2台分の駐車スペースがある賃貸は本当に少ないのです。
やがて、「賃貸ではもう限界かもしれない」と感じ、
中古住宅を中心に探すことにしました。
安い物件には安い理由がある
田舎の中古住宅は、1,500〜2,500万円程度が相場。
ローンを組めば月6〜7万円程度と、数字だけ見れば魅力的に感じます。
しかし実際に現地を見てみると、その“安さ”には理由がありました。
- 前面道路が幅4m未満で除雪車が入らない
- 駐車が難しく、冬場は雪で出入りが困難
- 道路が砂利道で、雨の日や雪解け後にぬかるむ
- 近隣が森林で、野生動物の出没リスクあり
どの物件も「なるほど、この価格になる理由がある」と納得せざるを得ませんでした。
家の中がキレイでも、“外の条件”が悪ければ暮らしは不便。
「安さ」だけで選ぶと、毎日の生活にストレスが積み重なります。
リフォーム物件が少ないという現実
テレビでは「中古リノベで理想の家を安く手に入れる」とよく見ますが、
地方ではリフォーム物件そのものが少ないのが実情です。
私の地域では、いわゆる「中古+リフォーム」を手掛ける会社が1社しかありませんでした。
しかも、施工エリアが限定的で、ほとんど選択肢がない。
「中古を買ってリフォームで理想の家に」というのは、都市部だからこそ成立する話だと痛感しました。
内装だけで判断すると失敗する
リフォーム済みの物件は、キッチンやお風呂が新品同様で一見キレイです。
ですが、「立地」や「道路環境」に問題を抱えているケースが多い。
雪国では特に、「除雪車が入るかどうか」が生活の質を左右します。
夏に見学したときは良く見えても、冬になってから苦労する――
これは**地方特有の“季節落とし穴”**です。
“見た目のキレイさ”よりも、“暮らしやすさ”を優先する。
これが中古物件を見る上で最も大切な視点だと学びました。
条件を3つ捨てて1つを得る覚悟
中古住宅を10件以上見て分かったこと。
それは、完璧な物件は存在しないということです。
- 立地が良ければ価格が高い
- 価格が安ければ交通や除雪に難あり
- 新しければ土地が狭い
どれを取っても一長一短。
最終的に「どの不便を受け入れるか」を決めるのが、田舎の家探しの現実です。
「待てば出る」は幻想だった
希望条件を満たす中古物件を待ち続けても、新しい物件はなかなか出てこない。
地方は人口が少なく、そもそも中古住宅の流通量が極端に少ないのです。
数か月に1件出るかどうか。
その1件が条件に合わなければ、また半年以上待つこともあります。
田舎の中古住宅市場は「早い者勝ち」。
迷っているうちに、良い物件はすぐ売れてしまいます。
実際に逃した「理想の物件」
そんな中で、1つだけ「これは!」という物件がありました。
中心エリアに近く、学校や病院も徒歩圏内。
築13年の平屋3LDKで2,300万円。
内装もきれいで、トイレが2つある理想的な間取りでした。
しかし、見学の予約を入れる前に売れてしまったのです。
このとき強く思いました。
「いい物件は、悩む前に動かなければ消える」
そして、「相場感を早くつかむことの大切さ」を実感しました。
→(関連:土地や物件を見る前に知っておきたい“相場観”の身につけ方)
田舎の中古物件探しで学んだ教訓
- 「安さ」には必ず理由がある
- 立地・道路・除雪を最優先に
- テレビのようなリフォーム成功例はレア
- 相場感をつかむために、早いうちから物件を見ておく
- 条件をすべて満たす家は存在しない
これらの経験を経て、私は**「新築を検討するしかない」**という結論に至りました。
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📘 まとめ
「田舎の家は安い」という言葉には罠があります。
価格だけで選ぶと、毎日の暮らしで不便とストレスを抱えることに。
家の“中”だけでなく、“外”の条件こそ慎重に見ることが大切です。