家づくりで一番悩んだのが「住宅ローンをどう組むか」でした。
金利、返済期間、頭金――どれも少しの違いで総支払額が大きく変わります。
今回は、私が実際にシミュレーションを繰り返して決めたローンの組み方と、その理由をまとめます。
家を建てる前に立ちはだかった「お金の壁」
家の本体価格はもちろん、外構や諸費用を含めると総額4,000万円超。
最初は「本当に払っていけるのか?」という不安しかありませんでした。
試しに金利や年数を変えて計算してみると、
月々の返済額が数万円単位で変わることがわかり、
「ローン設計は慎重にしなければ」と痛感しました。
家は“買う”よりも“どう返すか”の方が重要。
それに気づいた瞬間でした。
住宅ローンで考えるべき5つのポイント
ローンを組む際に私が検討したのは、次の5つの要素です。
- どの銀行で借りるか(地銀・ネット銀行・メガバンク)
- 返済方式(元金均等 or 元利均等)
- 金利タイプ(固定 or 変動)
- 返済期間(短期 or 長期)
- 頭金を入れるかどうか
ひとつずつ整理しながら、自分たちに最適な組み合わせを探っていきました。
銀行選び:ネット銀行に軍配
複数の銀行で金利を比較した結果、
住信SBIネット銀行が最も条件が良いと判断しました。
- 提携銀行で一条工務店の住宅ローン審査に通りやすい
- ネット完結で手続きがスムーズ
- 金利引き下げ幅が大きい
地銀やメガバンクよりも金利が低く、
オンライン管理もできる点で使い勝手が良いと感じました。
同じ金額を借りても、0.1%の金利差で支払総額は数十万円変わる。
だからこそ、銀行選びは最初の分岐点です。
返済方式:元利均等で毎月の安定を優先
元金均等返済は早く元本が減るメリットがありますが、
毎月の返済額が最初に高く、家計管理が難しくなります。
私たちは元利均等返済を選び、毎月の支出を一定にしました。
- 家計の見通しを立てやすい
- 教育費や生活費とバランスが取りやすい
- 投資資金の確保がしやすい
ローンは「返すスピード」より「続けられる安定」が大切。
金利タイプ:変動金利を採用
次に悩んだのが、固定金利にするか、変動金利にするか。
検討の結果、私たちは変動金利を選びました。
- 現在の金利環境では変動が圧倒的に低い(0.3〜0.5%台)
- 当面、日本の金利は急上昇しにくい(2025年時点)
- 上昇リスクはあるが、繰上げ返済で対応可能
もちろん、金利上昇に備えて返済余力を残しておく設計にしています。
「金利上昇を恐れて固定にする」よりも、
「上がったときにどう動くか」を考える方が柔軟です。
返済期間:長期ローンで余裕を確保
一般的に住宅ローンは35年が標準ですが、
私たちは80歳未満まで借りられる最長期間で設定しました。
理由はシンプルで、
「毎月の返済額を減らし、家計に余裕を持たせたい」から。
返済期間を長くすると総支払額は増えますが、
- 家計が安定する
- 投資や教育資金の余力を残せる
- 住宅ローン控除(13年間)をフル活用できる
というメリットがあります。
「繰上げ返済はあとでやればいい」と割り切り、
長く・軽く・安定して返す方向にしました。
頭金:あえて“ゼロ”でスタート
住宅ローン=頭金を入れた方が安全、というイメージがありますが、
私たちはあえて**フルローン(頭金なし)**を選びました。
理由は、手元の資金を生活防衛費+投資資金として残したかったからです。
住宅ローン控除は借入残高に対して適用されるため、
頭金を多く入れるほど控除額が減ります。
13年間の控除を最大限受けるには、フルローンの方が有利です。
「返済できる余力」を持っていれば、頭金ゼロでも問題なし。
むしろ流動性を保った方がリスク分散になります。
実際のシミュレーション結果
借入額:4,100万円
金利:変動 0.42%(当時)
返済期間:35年
返済方式:元利均等返済
シミュレーション結果は以下の通りです。
| 項目 | 金額(概算) |
|---|---|
| 毎月の返済額 | 約11.0万円 |
| 総支払額 | 約4,620万円 |
| 住宅ローン控除(13年分) | 約260万円還付見込み |
| 実質負担総額 | 約4,360万円 |
月々の返済は社宅時代より約8万円増えますが、
光熱費が減る見込み(太陽光+高断熱)を考慮すれば、家計の許容範囲内でした。
金利上昇への備え
今後、もし金利が2%を超えるような局面になれば、
**「返済額軽減型の繰上げ返済」**を実行する計画です。
また、変動金利リスクを抑えるために、
毎月の返済額に+1万円を「金利上昇備蓄」として別口座に積み立てています。
住宅ローンは“固定支出”ではなく、“管理する変動支出”。
シナリオを複数持っておくことで、金利上昇も怖くありません。
私が出した結論
- 銀行は金利引き下げ幅が大きいネット銀行
- 返済は元利均等で家計を安定
- 変動金利で柔軟に対応
- 返済期間は長くして生活余力を確保
- 頭金は入れず、控除と手元資金を優先
この組み合わせが、私たち家族にとって最適解でした。
ローンは“背負うもの”ではなく、“コントロールするもの”。
正しく理解すれば、怖いものではありません。
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📘 まとめ
「頭金を入れない」「長期ローンにする」など、
一見“リスクが高い”と思われる選択も、根拠と計画があれば合理的。
大切なのは、「家を守るお金の設計」を自分で理解して決めることです。