第9話:保険の基本 ─ 万が一に備えるリスク管理

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人生には、病気・ケガ・事故・災害など、予期せぬ出来事がつきものです。 そんな“もしも”に備える手段のひとつが「保険」。 今回は🦊コンたちが、保険の考え方と選び方をやさしく解説します。

導入ナレーション
ある日曜日。商店街のイベント帰りに立ち寄ったカフェで、コンたちはコーヒーを飲みながら話し込んでいた。 「最近、保険の見直しってよく聞くけど、結局どんな保険が必要なんだろう?」── ポコの一言から、今回の“リスク管理”の話が始まります。

🦊コンと仲間たちの会話

🦝ポコ「うちも子どもが生まれてから保険を見直したけど、種類が多すぎて迷うんだよな。」

🐰ミミ「私も社会人になって“医療保険どうする?”って聞かれたけど、正直よくわからなくて……。」

🐹キュン「ぼくはまだ高校生だけど、“保険=なんとなく安心”っていうイメージしかないや。」

🦊コン「みんなの感覚、すごく大事だよ。 ただ、保険って“安心を買う仕組み”ではあるけど、入ればいいというものでもないんだ。」


🦊コン「たとえば、一般的なサラリーマンが腎臓がんで10日間入院して手術した場合、 自己負担ってどれくらいになると思う?」

🐰ミミ「100万円くらいかかりそうですけど…。」

🦊コン「健康保険がなければそのくらいかかるね。 でも日本の医療制度には『高額療養費制度』があるんだ。 これを使えば、所得にもよるけど、月の自己負担はおおよそ9万円前後で済むことが多い。 つまり100万円の治療費でも、最終的に支払うのは約9〜10万円ほどなんだ。」

🐹キュン「そんなに減るんだ!公的な制度ってすごいね。」

🦊コン「そう。だから医療保険は、“この上限を超える部分”や“入院時の雑費・収入減少”に備えるものなんだ。 すべての医療費をカバーしようとする必要はない。 貯金があれば、保険に入らず対応できるケースもあるよ。」

🦝ポコ「保険に入りすぎて貯金できなくなるのは本末転倒だよな。」

🦊コン「本当にその通り。 FPの考え方では、“貯蓄で対応できないリスクだけ保険で備える”のが原則なんだ。 安心のために保険を増やすより、まず貯蓄体力をつけることが大事なんだよ。」


🦊コン「もう一つ考えてみよう。 45歳の一般的なサラリーマンが亡くなった場合、 家族には公的な制度からどれくらいお金が入ると思う?」

🐰ミミ「遺族年金って言葉は聞いたことありますけど、具体的な金額はわかりません…。」

🦊コン「会社員なら“遺族基礎年金+遺族厚生年金”が支給される。 たとえば妻と子ども2人がいる場合、年間およそ遺族基礎年金122万円+遺族厚生年金40〜70万円で、 合計160〜200万円程度が受け取れるケースが多いんだ。」

🐹キュン「思っていたより少ないね…。」

🦊コン「そう。生活費・教育費・住宅ローンを考えると足りないことが多い。 だから、不足分を補うのが生命保険の役割なんだ。 “遺族年金+生命保険+貯蓄”の3本柱で、家族の生活を守る仕組みを作ると安心だよ。」


🦊コン「じゃあ次の質問。 もし同じ45歳のサラリーマンが事故に遭って寝たきりになってしまったら? この場合も、国から支援があるんだ。」

🐰ミミ「それって障害年金ですか?」

🦊コン「そう。働けなくなった人には『障害基礎年金+障害厚生年金』が支給される。 重い障害(1級・2級)だと、年金額はだいたい年間120〜180万円程度(収入や等級で変動)。 さらに、40歳以上なら介護保険制度も使えて、 介護サービスの自己負担は原則1割〜3割で済むんだ。 たとえば要介護3なら、介護サービス費用の月12〜15万円のうち、 実際の自己負担は2〜4万円程度になることもある。」

🐹キュン「へぇ〜、寝たきりになっても国からの支援があるんだね。」

🦊コン「そう。でも、実際には介護ベッド・リフォーム・収入減など、 制度だけでは賄えない出費も多い。 だから“介護保険”や“就業不能保険”で補う人もいるんだ。」

🦝ポコ「なるほど。医療・死亡・介護って、どれも“家計に大きく響くリスク”なんだな。」


🦊コン「じゃあもう一つ。 車の事故で相手の命を奪ってしまった場合、損害賠償はいくらくらいになると思う?」

🐹キュン「……何億円とか…?」

🦊コン「そう。実際に1億円を超えることもある。 ただし、全員が加入している自賠責保険は上限が3,000万円。 つまり、残りの7,000万円以上は自腹か、任意保険でカバーするしかないんだ。」

🐰ミミ「任意保険って“義務じゃない”だけで、本当は必要なんですね…。」

🦊コン「そう。法律上は“任意”でも、現実的には人生を守るために必須。 自動車を持つなら、対人・対物無制限の補償に入っておくのが常識だね。」


🦊コン「ちなみに、キュンも自転車に乗るよね?」

🐹キュン「うん、学校も買い物もいつも自転車!」

🦊コン「それなら覚えておくといいよ。 自転車で歩行者にケガをさせたり、命を奪ってしまった場合、 数千万円単位の賠償を請求されるケースもある。 実際、過去の判例では約9,500万円の賠償命令が出たこともあるんだ。」

🐹キュン「えっ!?自転車でもそんなに…!?」

🦊コン「そう。だから、自転車に乗る人は個人賠償責任保険に入っておくことが大事だよ。 火災保険や自動車保険に“特約”としてつけられる場合も多いから、 家族で確認してみるといいね。」

🐰ミミ「知らなかった…。保険って“車だけ”じゃないんですね。」


🦝ポコ「保険って、“安心のためにとりあえず入るもの”って思ってたけど、 実際は“公的保障+民間保険+貯蓄”のバランスで考えるんだな。」

🦊コン「まさにそれ。 “わからないから全部保険に入る”のではなく、 まずどんなリスクがあるのかどこまで公的制度で補えるのかを知る。 その上で、足りない部分だけを保険でカバーする── これが賢いリスク管理の第一歩だよ。」

🦊コンのまとめ表

リスクの種類備えの方法ポイント
病気・ケガ公的医療保険+高額療養費制度
+医療保険
医療費の多くは制度でカバー
上限超過分や収入減に備える
死亡(家族の生活保障)遺族年金+生命保険遺族基礎122万円+厚生40〜70万円
=160〜200万円
足りない分を保険で補う
介護・就業不能介護保険制度+障害年金+民間保険制度利用で自己負担1〜3割
介護・収入減リスクは
民間保険で補強
自動車事故自賠責保険+任意保険自賠責上限3,000万円
対人・対物無制限が望ましい
自転車・日常事故個人賠償責任保険特約で加入可
自転車事故でも高額賠償のリスク
生活防衛貯蓄・保険・公的保障のバランス過度な保険で貯蓄できない状況
を避ける

FP試験チェックポイント

  • 保険は「経済的損失の補填」が目的
  • 高額療養費制度で医療費負担を軽減できる
  • 遺族年金は「基礎122万円+厚生40〜70万円」程度
  • 障害・介護には「障害年金」「介護保険制度」で支援
  • 自賠責保険の死亡補償は上限3,000万円
  • 任意保険・個人賠償保険は“リスク移転”の代表例
  • “必要額ベース”で合理的に保険を選ぶ

一言まとめ

「保険は“安心のためにとりあえず入る”ものではなく、 “必要なリスクに備える”ために選ぶもの。 公的制度でカバーできない部分を見極め、ムダのない保険設計をしよう。」

次回予告:
第10話:ライフプランとマネープラン ─ 人生設計から考えるお金の流れ

💡挿入資料提案
・【図】高額療養費制度の自己負担上限(一般所得:約9万円)
・【図】遺族年金の構成と支給額モデル
・【図】介護保険と障害年金の支援関係
・【図】自賠責・任意保険・個人賠償の補償範囲比較

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